日本民藝館  棟方志功展

今回は、先日に棟方志功展を見に行った日本民藝館です。ヴィクトリア&アルバート美術館が英国の工芸であったのに対し、日本独自の工芸品を集めたのがここ日本民藝館です。初めて目にしたのは、都内の美術館雑誌でした。歴史を感じさせる正面玄関から二階に上がる木造の広い階段を一度ぜひ上がってみたい、と思っていました。たまたま母が行きたい、というので一緒にこの初夏に訪ねました。場所は駒場東大前。駅からは徒歩で、閑静な住宅地の中に現れてきます。

この外観を見ながらスケッチする方もいらっしゃいました。
棟方志功展のチラシは世田谷美術館に散歩に行って頂いていました。(←近所なんです)力強く、親しみ易い棟方さんの作品に久し振りに出会い、東北から沖縄までの着物・陶磁器・日用品などを見て回りました。一部屋ごとにまた違う味わいのある木造の造りは見事で大満足でした。その後、直ぐ近くの見事な庭のある旧前田公爵邸の洋館・和室も散策して帰りました。
初夏の日差しと風の中で気持ちよく歴史散歩ができました。
民藝という一つの流れを学ぶと、日本での民芸運動を推進した柳宗悦さん、民藝館初代館長の柳宗理さん(日本を代表する工芸デザイナー)といった方々がおられ、日本民藝館は1936年に開館したのだそうです。英国でのモリスは「絵画芸術を装飾芸術へ」、かたや日本の柳宗悦さんは「西洋美術から東洋の工芸へ」とのお考えだったそうです。庶民の暮らしや生活の中の美術や芸術というのでしょうか?今注目されている物作りとか、手仕事文化にも繋がりますよね。自分が好きな物を訪ねて歩く内にそれぞれには結びつきがあり、同じ考えと拘りがあり、歴史の中で洗練されてきた事を知ると、静かな感動を覚えました。知れば知るほど深いですよね。